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​高次脳機能

JCS

JCSは、刺激に対して覚醒するかどうかを基準に、覚醒の程度を3群に分け、さらに各群を3段階に細分し、数字により意識障害程度を表現したものである。3-3-9度方式と言われており、数値が大きいほど意識障害が重度となる。

 

GCS

GCSは、意識障害を開眼eye opening(E)、言語反応verbal response(V)、運動反応motor response(M)の三次元で観察し、各群の反応様式をそれぞれ細分し、各群のスコアの総和で障害の程度を表現する。GCS得点が3~8点重度、9~13点中等度、14、15点軽度とされている。

HDS-R・MMSE

診察室やベッドサイドで短時間に実施できるという点で、医療・福祉の領域で広く用いられている。いずれも最高得点30点であり、一般的にはHDS-R20/21点、MMSE23/24点が認知症の有無のカットオフポイントとされている。

 

三宅式記銘力検査

言語性の記憶検査(聴覚的言語刺激を用いた対連合学習課題)→近時記憶を評価

構成…各10組の対語(有関係対語、無関係対語)を用いる

2秒間隔で有関係対語を読み上げ、検者が最初の単語を言い、他方を被験者に答えてもらう。これを3回繰返す。

評価…10秒反応が無ければ忘却とする。標準値よりも明らかに低下している場合は精査を必要とする

 

ウェクスラー記憶検査法(WMS-R)

記憶の総合的な検査 対象:16~74歳

構成…13の下位検査からなる

評価…5つの指標を算出する(言語性記憶指数、視覚性記憶指数、総合記憶指数、注意集中指数、遅延再生指数)

特徴…9つの年齢レベルごとに標準得点が設定されている。失語、失認などがあれば困難な課題が多く、適応の有無を検討する

 

リバーミード行動記憶検査

構成…11項目ありスクリーニング点は12点満点

評価…粗点を記録し、標準プロフィール点に換算する(リハビリを実施して変化をみるとき)。スクリーニング点を算出する(正常範囲か大まかにみるとき)。

特徴…日常生活に近い場面を想定して評価する。年代別にカットオフ点がある。

 

Rey複雑図形検査

視覚性記憶、視覚認知、構成能力を評価する

構成…複雑な図形の模写と再生(遅延)課題

評価…18の部分について検討される。時間制限はない。

特徴…模写では視覚認知(半側空間無視、注意など)や構成能力を見ることもできる。再生では模写と比較することにより視覚性記憶が評価できる

ベントン視覚記銘検査

視覚性記憶、視覚認知、視覚構成能力を評価する

構成…幾何学図形が描かれた図版を用いて記銘再生(即時再生、遅延再生)あるいは模写をさせる

評価…誤りの種類(6種類)が検討され(誤謬数)集計される。

特徴…図は言語化できるものもあり、また模写が中心なので視覚性記憶よりも視覚構成能力がより反映されやすい。代わりの図版もあるので学習効果を防ぐことができる。

聴覚言語性学習検査(AVLT)

聴覚的な言語性の学習と記憶を評価

構成…関連の無い15個の単語リストを読んで聞かせ、直後再生させる。別の15単語のリストを読んで聞かせ再生させる干渉を実施する。最初のリストの単語をもう一度再生。最初の15語と干渉の15語に新たな20語を追加した50語の中から最初のリストの単語を選ぶ再認課題を行う。

特徴…言語性の記憶障害の検出が高く、再生課題と再認課題があるので記憶障害の性質の違い(記銘が問題なのか想起が問題なのか)も評価できる。健忘の程度の評価に有用である。

標準高次動作性検査

失語症を中心として、大脳損傷後の行為障害を検出することを目的に開発されたテストバッテリーである。顔面・上肢・下肢の各動作を包含し、13の大項目、42の小項目から構成されている。

レーブン色彩マトリックス検査(RCPM)

知能検査 適応:幼児~成人

概要…図版の欠落部分にあてはまる模様を6個の選択肢の中から選ぶ。動作性検査、表現言語を持たない子供の知能水準を測定できる。

評価…視空間能力や類推能力をみる。誤反応から注意、空間的操作、類推、類論などの知的障害の程度を評価する。

WAIS-Ⅲ

言語性検査→「単語」「類似」「算数」「数唱」「知識」「理解」「語音配列」

動作性検査→「絵画完成」「符号」「積木模様」「行列推理」「絵画配列」「記号探し」

言語理解→「単語・類似・知識」

知覚統合→「絵画完成・積木模様・行列推理」

作動記憶→「算数・算唱・語音整列」

​処理速度→「符号・記号探し」

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