吃音
発達性吃音
幼児期に発症するものをいう。発達性吃音の最も多い発吃年齢は2~5歳で、その多くは7歳までに発症するとされている。発達性の方が獲得性よりも治癒率が高い。男女比は児童期、成人期ともに男子の方が多いとされている。遺伝との関連も示唆されているが発症原因は不明である。繰り返し・引き延ばし・ブロックが中核症状であり、歌・斉読・DAFでの改善が多い。適応効果や一貫性効果がある。75%の症例が自然治癒している。
※「適応効果」とは
W.Jonsonが発見した現象。同じ文章を繰り返し続けて音読した時に、吃音の頻度が音読ごとに減っていく現象のこと。
獲得性吃音
思春期以降に発症するものをいう。獲得性吃音は、神経学的疾患羅患後に生じる神経原性吃音と、心理的な問題後に生じる心因性吃音とがある。ともに、繰り返し・引き延ばし・ブロックが中核症状であり、歌・斉読・DAFでの効果は少ない。適応効果や一貫性効果は無い。治癒率も低い。
吃音の男女比
(男)3~10 対 1(女)
吃音の出現率
総人口の1%前後
発吃の時期
吃音の好発年齢は2~4歳である。
自然治癒
吃音患者の40~45%は自然治癒すると言われている。
一貫性効果
一貫性効果とは、同じ文を繰り返して音読し、1回目にも2回目にも吃る語の割合であり、特定の語音に対する困難さや恐怖を表す。
一貫性効果の算出
(1回目にも2回目にも吃った語の数÷1回目に吃った語の数)×100
適応効果(適応性効果)
適応効果とは、同じ文を繰り返して音読し、1回目には吃ったが2回目には吃ることが減少することをいう。
吃音の中核症状
「音、音節の繰り返し、引き伸ばし、ブロック」→中核症状
流暢性促進訓練
DAF、軟起声、フレージング法、やわらかい構音、リズム法、バイオフィードバック法など
文章音読検査
評価項目→「出現頻度、音読所要時間、随伴症状、適応性」
※非刺激性はない
リッカムプログラム
児にとって吃音の生じにくい構造化された発話。吃音の生じない状況に対するポジティブな言語的随伴刺激などを通して吃音の改善を図っていくアプローチ
吃音の評価
「発話速度、性格特徴、生活環境、発話症状」