こどもはつよい
22:00、日曜日。
どうにも風が冷たく感じるようになりました。
近所の酒場にぶらり。ゆずの効いたおでんが、ああ、なんてこったい。“ しみる ”じゃあないか。もちろん大根にもよおく味が染みている。
そうこうしていると、男がひとり、つれの男がもうひとり。おやおや、娘さんもついてきた。五つかそのくらいか。何かを大事そうに脇に抱えている。男たちは大人のペースではじめる。
娘さんは、ただただ、出されたものを口に運んでいる。
こどもはこんな場所でも楽しみを見つけることができるのだ。
けむの漂う、オジさんと木のテーブルしかいないような場所でも。
僕は店を出た。腕に巻いたオリエントは、23時を指していた。秒針だけが、ただただ進んでゆく。